【医師監修】
皮膚常在菌の種類と役割とは?
人間の体には、じつは常在菌と呼ばれるたくさんの菌が住んでいます。
お肌も例外ではなく、色々な種類の菌がたくさん住み着いています。
これらの菌は、皮膚常在菌と呼ばれ、お肌にじつに様々な影響を及ぼしています。
みなさんは、お肌のバリア機能って聞いた事がありますか?
そう!お肌を外部の刺激や雑菌から守ったり、お肌の潤いを保ったりする機能の事。
じつは皮膚常在菌とは、簡単に言うとこのバリア機能の最前線だったりするですよー。
菌っていうと、悪いイメーシ持つ方が多いようで、「菌がお肌を守ってる!」なんて言うと「えー?意外ーっ!」なんて声も多いようです。
そこでそこで、このページでは、そんな菌達がどうやってお肌のバリア機能の最前線で活躍しているのか?
「皮膚常在菌」の種類や役割、働きなどについて、お医者さま監修のもとお話します!
皮膚常在菌の種類
皮膚常在菌には、数百もの種類がありますが、大きく分けると、3つの種類に分ける事が出来ます。
お肌に有用に働く「善玉菌」、普段は有用なのに、ある条件ではトラブルを起こす「日和見菌」、そして、お肌に害を及ぼす「悪玉菌」です。
そして、それぞれに代表的な菌がありまして。。。
善玉菌の代表的なのが、表皮ブドウ球菌。
日和見菌の代表が、アクネ菌。
そして、悪玉菌の代表が黄色ブドウ球菌という感じでしょうか。
ではでは、それぞれの菌の特徴、そして役割や働きは?
皮膚常在菌の役割や働き
表皮ブドウ球菌について
表皮ブドウ球菌は、お肌に住む皮膚常在菌の1つです。
空気を好む性質があるため、その名の通りお肌の表面に住み、皮脂をエサにしています。
表皮ブドウ球菌で最も注目なのは、皮脂を食べた後!
じつは、皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解してくれるんです。
健康なお肌の場合は、この菌が常在菌の大部分を占めているので、たっぷりの脂肪酸とグリセリンがお肌を覆ってくれています。
そして、たっぷりの脂肪酸はお肌を弱酸性に保ち、雑菌や黄色ブドウ球菌などの悪玉菌の繁殖を抑えてくれます。
さらに、皮脂の油分とともに保湿成分のグリセリンがたっぷりとお肌を覆っているので、お肌の潤いを保ってくれます。
っとこんな感じで、表皮ブドウ球菌は健康な皮脂膜を形成するのに無くてはならない存在!
お肌の傷口に入り込むと、膿んでしまったりする場合もありますが、やっぱり、善玉菌の代表ですよね?
アクネ菌について
アクネ菌も、お肌の常在菌の1つです。
ニキビの原因!という事で、かなり有名な菌ですよね?
でも、じつは普段は健康な皮脂膜を作る善玉菌のような働きをしているんですよー。
酸素を嫌う性質があるため、毛穴の奥や皮脂腺などの空気の入りにくい場所に住んでいますが、表皮ブドウ球菌と同じように皮脂をエサにして、脂肪酸とグリセリンに分解してくれているんですね。
こんな風に、アクネ菌は普段はせっせとお肌を雑菌から守ったり、潤いを保ったりしてくれるのですが。。。
食生活や生活習慣、ホルモンやストレスなどが原因で皮脂が毛穴を詰まらせると、酸素が遮断され、エサの皮脂が毛穴にタップリ!というアクネ菌の大好きな環境が整ってしまいます。
こうなると、アクネ菌は、毛穴の中で脂肪酸を大量に作りながら大増殖します。
そして、増えすぎてしまった脂肪酸の刺激が、毛穴の炎症を引き起こし、これが、ニキビの原因になる訳ですね。
っと、こんな感じで、普段は善玉菌のようにお肌を守る働きをしているのに、皮脂の劣化や過剰分泌などで毛穴が塞がると、大増殖してお肌にトラブルを起こす悪玉菌のようになってしまう!
そんなこんなで、日和見菌の代表なんですね?
黄色ブドウ球菌について
黄色ブドウ球菌は、食中毒の原因菌としても有名ですが、お肌にもかなりの数が住み着いています。
表皮ブドウ球菌がたくさん繁殖している健康な人のお肌ではトラブルを起こしませんが、お肌の表面がアルカリ性に傾き、表皮ブドウ球菌が少なくなると大増殖します。
黄色ブドウ球菌が増殖すると、お肌は痒みや炎症を引き起こします。
痒みや炎症部分を引っ掻くと、傷になり、その傷口でさらに黄色ブドウ球菌が増殖して、膿となって行きます。
膿の色って、じつは黄色ブドウ球菌の黄色なんですね?
この他にも、切り傷や擦り傷の化膿、とびひやニキビ、皮膚炎etc.
まさに、ありとあらゆる肌トラブルの元凶になっています。
っと、こんな感じで、特に体にとって良いことはなく、トラブルだけを起こすので、黄色ブドウ球菌は悪玉菌の代表!といった感じでしょうか?
まとめ
さてさて、こうしてみてくると、皮膚常在菌がお肌のバリア機能の最前線として、とっても重要な役割をしている事が分かって頂けたと思います。
繰り返しになりますが、そんな常在菌の大切な役割をまとめると。。。
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常在菌の役割(まとめ)
- お肌を弱酸性に保って雑菌や悪玉菌の繁殖を抑える
- 保湿成分のグリセリンでお肌の潤いを保つ
- 健康な皮脂膜を形成する
そして、そんな常在菌のバランスを保つためには。。。
-
常在菌のバランスを保つには
- 常在菌のエサである皮脂を適度に残す
- 毛穴を詰まらせるような皮脂の劣化や過剰分泌を予防する
- むやみに殺菌せずに、逆に表皮ブドウ球菌を増やすよう心がける
- お肌のpHバランスを傾かせるような事をしない
当店では、敏感肌や乾燥肌など、様々な肌トラブルの原因は、洗い過ぎ・いじり過ぎと、いつもお話しています。
もちろん、洗顔やスキンケアはお肌の健康を保つ上で、とっても大切な事だと思います!
でも、ある一定のラインを超え、お肌の善玉菌である表皮ブドウ球菌を減らしてしまうと。。。
洗えば洗うほど、お肌の潤いがなくなる!
洗えば洗うほど、雑菌が繁殖する!
洗えば洗うほど、臭くなる!
なんて事につながってしまう訳ですね。
ではでは!
お肌の常在菌を上手に増やすには、どうすれば良いのでしょうか?
そんな時はコチラ!
※参考文献
人体常在菌のはなし(青木皐:著)
菌子ちゃんの美人法(青木皐:著)
監修:大見貴秀(医師)
麻酔科医。本業である医師の傍ら、医師としての経験・知識を活かして美容やヘルスケア、サプリメントに関する情報発信を行う。過去には大手美容クリニックで就業していた経験もあり、ネットを中心に広く活躍している。
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